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☑指が伸びなくて困っている…
☑病院で「ばね指」と言われ治療しているがよくならない…
☑注射が必要と言われたが注射は嫌…
このブログはそんな悩みを解決できるかもしれません。
これまで数多くのばね指症例を保存療法で解決し、同業者に固定法の指導を行った経験もある佐倉市の石本接骨院院長がばね指について解説していきます。
この記事はばね指の特徴や当院ならではの施術方法、セルフケアの方法をご紹介します。症状によっては後半のセルフケアのエクササイズで改善してしまうかもしれません。ぜひ最後までお読みください。
1、指が伸びなくなる「ばね指」とは
ばね指とは手の使い過ぎなどによる炎症により、指の曲げ伸ばしの際に指の腱が通り道である腱鞘というトンネルを通り抜けられなくなり、指が曲がったままになってしまう疾患です。
曲がった指を伸ばそうとすると、パチンと痛みとともに弾くように指が元に戻ることから「ばね指」や「弾発指」などと言われます。正式には「屈筋腱狭窄性腱鞘炎」といい、腱鞘炎のひとつです。
引用)日本整形外科学会HPより
ばね指は女性に多く、男性の2倍と言われています。50歳以降急激に増加し、60歳代がピークとなっています。
理由はホルモンの関係や、加齢に伴う代謝の変化により腱の通り道である腱鞘のコラーゲン成分が急速に衰えてしまうためです。
なりやすい指は「母指>中指>薬指」の順で多く、この3本で全5本中91.3%を占めると言われています。(服部ら2015)
ばね指が発症してしまう原因は大きく分けて3つ。
①腱に結節という「しこり」ができてしまい、腱鞘を自由に通行できなくなった
②腱鞘の肥厚(腫れ)、硬化により腱の通り道が狭くなってしまった
③女性ホルモンの関係により滑液という潤滑液がネバネバし、摩擦による負担が多くなった
例えるなら、「腱=電車」「腱鞘=トンネル」「滑液=自転車のチェーンの油」のように考えて頂けると、わかりやすいかと思います。
さて、ばね指の原因になりやすい腱鞘ですが、形の違いから2種類あります。
・輪っか型のA腱鞘→1~5つ
・十字型のC腱鞘→1~4つ
特に指の付け根部分にあるA腱鞘の1番目、「A1」という腱鞘に起こりやすいです。
腱鞘というのは、何かを持とうと指を曲げた際に、腱が浮き上がってしまうのを抑える役割があります。なぜA1の腱鞘になりやすいかというと、多くの把持動作は指のすべての関節を曲げます(屈曲)。その際に最も腱が浮き上がろうとする箇所がこのA1、という訳です。
さらに、何か物を持とうと力を加えた際に、腱や腱鞘には「約3倍」の負荷がかかると言われています。曲げ伸ばしを繰り返した際の摩擦ストレスに加え、腱と腱鞘が押さえつけられる圧迫ストレスにより炎症を引き起こし、腱や腱鞘が腫れてしまい、しこりができるといった流れで発症するのです。
2、ばね指になりやすい環境リスクとは
どういった方がばね指になりやすいのか、発症した方の環境を報告した論文から解説していきます。
・「長時間に渡る把持器の把持による腱への持続的圧迫刺激が最も主要な発生原因である」辻1950
・「包丁を長時間使用する作業者には弾発指が好発した」中原ら2000
・「弾発指の原因は引金動作よりも工具保持と関係が深い」黒沢ら1990
・「1時間30分以上の連続した手作業は橈骨・尺骨動脈の血流量を著明に減少させ、これが腱鞘炎の発生原因になる」Hansfordら1986
これらの報告から、長時間に渡る棒状の構造物を把持するような、例えばゴルフなどの道具を使用するスポーツ、包丁や工具などを使用する職業ではばね指の発生するリスクが高いことが分かります。
つまり、病院や接骨院などで施術を受けてもよくならない、すぐに再発してしまう、という方はこういった環境のリスクに何も対策を講じてもらえてないのではないかと思います。
仮に何か対策を講じるなら、
・グリップ等を長時間把持するような場合→グリップを太くする、包丁の柄にタオルを巻く
・工具保持などをどうしても変更できない場合→作業合間や休憩時間のストレッチ指導、指が弾発しない「工具の離しかた」を指導する
などしっかり改善に向かうためには来院できない、先生が管理できない時間帯の管理が非常に重要になります。
私は施術によってばね指を改善することはもちろんですが、その後の「ばね指を発症させない生活指導」をちゃんと教えてくれるところが良い先生だなと感じます。
3、ばね指とエコー
ばね指はその特徴的な症状と、身体的特徴などから詳しい検査を行わなくても鑑別は比較的容易にできます。ばね指か、そうでないか、程度の鑑別くらいできないと困りますよね。
ですが、私はより早く治すためには「エコー」による観察が非常に重要だと考えています。
エコーで内部を観察することで、腱が腫れているのか?腱鞘が腫れているのか?引っかかっている位置はどこだ?といったより質の高い評価が可能になり、より確信的でピンポイントに狙った施術が可能になるのです。
ひとえに「風邪」と言っても、鼻水がメインだったり、熱がメインだったり、咳がメインだったりと個人差がありますよね。「ばね指」と一括りするのではなく、より細かい評価をすることで、より早く改善するように心がけています。
4、ばね指とステロイド注射
整形外科でばね指と診断され、「注射しましょう」と言われたことがある方もいらっしゃると思います。「注射したけどあんまり効果無くて…」という患者さんも多いです。
実際のところ、どうなのでしょうか。
私は医師ではないので、ガイドラインに掲載されている情報を元にご紹介していきます。
一般的にばね指の注射には「ケナコルトA®」というステロイドの一種が用いられるようです。抗炎症作用が強力で、作用が長時間持続するのが特徴だそうです。
エビデンスは様々ですが、
・3か月後判定79%有効 Freiberg 1999
・1回目改善率84%、2回目改善率91%、再発手術率9% Mark 1999
・再発率:3か月以内5%、3~6か月28%、6~12か月28%、1年以上再発無し39% 堀内2006
といった古い論文ですが、比較的良好な結果を得られています。
しかし、多用することで腱や腱鞘が軟化(柔らかくなる)リスクがあり、腱の断裂等の副作用が報告されていることから、おおむね3か月程度の間隔を空けることが一般的なようです。
注射ばっかりに頼るのも良くないということです。
さらに、私の肌感覚ですが、個人的には注射で良くなったという患者さんは少ない印象です。これは薬のみの影響というよりは、一時的に症状の改善がみられても誤った使い方が改善していなかったり環境リスクへの対応がされておらず、すぐに症状が再発することで、あまり効かなかったと訴える方が多いのかなと思います。
つまり注射をしたからOK、ではなく、注射後の安静指示や環境リスクの見直し、誤った使い方の見直しなど総合的にアプローチしなければいけない、ということを理解しておきましょう。
5、当院独自の「ばね指専用固定」
あまりにも強い痛み、指の引っ掛かりが日常に支障をきたしている状態で、注射や手術は望んでいない患者さん向けに当院独自の固定法をご紹介します。
正式には「MP Extension Block Splint」と言います。ばね指の好発するA1腱鞘部分を伸ばした状態に保ちつつ、覆われていない関節は動きますので物を持つなどの簡易的な動作は可能です。
指の形に合わせて作成しますので、既製品では出せないフィット感を保ちつつ、ばね指を症状を防ぎます。大きい固定範囲では日常生活に支障をきたしますし、自分で外せないような固定だと「それはちょっと…」と選択されない方もいらっしゃいます。出来る限り支障を小さくし、かつ症状が改善するようにデザインした固定法です。
当院院長はこの固定法を外部の同業者向けに指導したことがあります。安心してご相談ください。
6、ばね指のセルフエクササイズ
これからご紹介するエクササイズは、非常に簡単かつ効果的なエクササイズを厳選しました。
いま症状がある方、手を使う作業が多くばね指を予防したい、という方にもおすすめです。
・屈筋腱のストレッチ
ばね指を発症する患者さんの多くは、握る動作やグーパーなどの作業が多く、指を曲げる腱の長さが短くなっているケースがあります。
上記の画像は指の付け根からしっかりと反らす方法です。症状がある方は痛みを伴う場合がありますので、無理なく行ってください。画像は私の手ですが、正常だとこのくらい反らせることが出来ます。目安にしてみてください。
また指を曲げる筋肉や腱は「2関節筋」といい、ふたつの関節をまたぐ筋肉なので、より効果を求めるのであれば肘を伸ばした状態で指先を反らせるように行っていただくと、さらにストレッチ効果が上がります。
この2つのストレッチは簡単にできて道具も必要ないので、作業の合間や休憩時間にこまめにやるように心がけてください。
伸ばしながら「3回深呼吸」するくらい時間をかけてじっくり伸ばしましょう。その時は何回も行う必要はありません。1セットをしっかり伸ばしましょう。
・ブロッキングエクササイズ
ブロッキングとは、対象の組織を狙って動かす為に、どこかの関節を固定(ブロック)して行うエクササイズです。
これは指を曲げる2つの腱を同時に動かすエクササイズです。第2関節のすぐ下を固定し、指先を曲げます。指の付け根の関節さえ曲がらなければばね指の症状を出さずに腱を動かすことが出来ます。痛みを伴う場合はゆっくり、少ない回数から行ってください。
次は第1関節のすぐ下を固定して、第1関節のみを曲げ伸ばしするエクササイズです。2種類ある指を曲げる腱のうち、ひとつは動かず、もうひとつは動くことで腱同士に滑走性が生まれ、滑りが良くなります。これも痛みを伴う場合はゆっくり、少ない回数で行いましょう。
各方法を1セット10回を目安に、1日2~3セット頑張りましょう。
・A1腱鞘のストレッチ(指握り体操)
ばね指の原因となるA1腱鞘は繰り返す炎症により硬化(硬くなる)します。そうなることで、さらなるばね指の症状を引き起こしますので、ここもしっかりとストレッチしましょう。
自分の指で行う場合、2~3本の指を画像のように握ります。握った指を離さずに、グッ、グッ、と繰り返し握ります。この時もゆっくりかつ、力強く握ることでよりストレッチ効果が高まります。もし引っ掛かりが起こってしまう場合は、指の本数を増やしてみてください。握る指が細いと指が深く曲がってしまい、症状が出てしまう可能性があります。
もしなにか道具を使う場合は、リモコンくらいのサイズがおススメです。画像はエアコンのリモコンでやっています。指を握るよりもしっかりしているので、より力を伝えやすく、こちらのほうがやりやすい方もいらっしゃると思います。
両方行ってみて、効果を感じるやり方、やりやすく続けられるやり方で行ってみてください。
1セット10回で1日2~3セットくらいが目安です。
いかがでしたでしょうか。
少々専門用語を使ってしまい、難しい内容だったかもしれません。ばね指とは?という部分はすっ飛ばして、後半のセルフエクササイズ部分さえやっていただければ構いません。
それで改善すれば御の字ですが、もし痛みが出たり、ひどくなる場合は、今かかっている所に相談するか、当院にご相談ください。
愛する我が子が突然腕を動かさなくなって、ギャン泣きしている。あなたは訳も分からず突然泣き出した子どもを見て、冷静を保っていられますか?
子どもの「腕を引っ張ってはいけない」と聞いたことはありませんか?
今回解説したいのは、そんなパニックになりそうな状況でも、「知っていれば」どう対応すればいいかわかる。『肘内障』についてです。
1、肘内障とは
肘内障とは、おおむね5歳以下で特に2歳頃になりやすく、主に腕を引っ張ることによって発症する子ども特有の障害です。
腕を引っ張られることで、骨を押さえている靱帯がスルッと抜けてしまい、関節に挟まれてしまった状態です。よく関節の亜脱臼と言われたりもします。
痛みによって腕を動かさず、腕を触らせないような恐怖心や警戒心を伴うことが多いです。
こうなってしまった原因が「腕を引っ張ってしまった」のように明確な場合は、鑑別は容易にできます。しかし、子どもがそのようになってしまった原因がよくわからない場合や、転倒した後に腕を動かさなくなった場合は骨折の可能性もあり、注意が必要です。後ほど解説します。
2、肘内障にはどんな特徴があるのか
肘内障の統計からどういった特徴があるのかご紹介していきます。2013年にとあるクリニックで行われた統計です。
※参考文献)「肘内障170例の検証 吉岡祐樹 2013」
・2歳に発症のピークとなる
肘内障は骨や靱帯の成長に伴い、徐々に発生頻度は少なくなります。なぜ2歳に多いのか、これは私自身の経験も踏まえてですが、2歳の頃は好奇心旺盛で何にでも興味がわきます。また自分の足でしっかりと歩けるようになる頃ですので、行動範囲も広くなります。特に外出時に駐車場やショッピングモール内で突然に走り出し、手をつないでいた親御さんが腕を引っ張って「危ない!」「ダメ!」と怒っている光景は珍しくないと思います。2歳に多いのはこういった理由があるのではないかと考えています。
・約6割が「土曜日18時~深夜救急」を受診している
週末はショッピングやレジャーなど家族で外出することも多く、子どもがあちこちに行くのを腕を引っ張って発症…というケースが容易に想像できます。家族が肘内障という言葉を知らなければ泣いていても「時間が経てば落ち着くだろう」と様子を見ることも多く、発症から少しおいて医療機関を受診する、といったいきさつからこのような統計になっているのではと考えます。
これは経験則ですが、接骨院に来院される際、平日に来院される場合は保育園で発症し時間内に来院、週末に来院される場合は外出先などで発症し時間外に急患依頼として来院、というような肌感覚があります。
・実は「腕を引っ張った」という症例は54%
先ほど肘内障の典型的な原因は「腕を引っ張った」ことなどにより牽引力が加わったことによると説明しましたが、この数字からわかるように、もう半数は「原因がはっきりしていない」ということです。誰も現場を見ていない、子ども同士で遊んでいて状況を説明できない、などがあり私たちが一番警戒するのは実は「転倒、転落」していたケースです。肘内障と似たような症状の中に骨折が潜んでいる場合があるからです。
3、「肘内障」という言葉はどれくらい知られているか
医療に従事していない一般の方は、「肘内障」という言葉をどれくらいの方が知っているのでしょうか。
地方のとある保育園で調査が行われました。
参考文献)「肘内障に関する認識調査:地域保育園を対象として 真鍋ら」
その調査ではなんと、「87%の保護者は肘内障を知らない」という結果が出ました。肘内障は特徴的な発症原因、発生年齢などから知っていれば予防できると考えていましたので、そういった観点からもこの結果には驚きました。
反対に、残りの13%の「知っている」と回答した保護者は、子どもが肘内障になったことがある、という結果でした。なるほど。
これは地域の保育園などに「肘内障」という言葉を説明、啓蒙しなければいけないなと感じます。
4、「肘内障かも」どこに行けばいい?
もし我が子が腕を動かさず泣いており、もしかしたら肘内障かも?と考えた時、どこに行けばいいのでしょうか。
肘内障は関節の障害なので、整形外科や小児科、接骨院/整骨院で対応できます。救急で病院を受診しても、整形外科医や小児科医が対応しなければ処置は受けられないでしょう。
事前に連絡し対応できるかどうか確認してから行かれると良いと思います。
当院では、原因や症状の問診や検査に加え、エコー観察機器を用いて肘内障に特有な兆候がないか観察することが出来ます。
こういった特徴的な兆候に加え、骨折が見られないか、そのほかに所見は無いか、など十分に鑑別を行ってから処置を行いますのでご安心ください。エコーが無くても対応できる院はあると思いますが、より安心安全をお求めでしたらエコーを活用してみて頂けるところがベストだと思います。
5、肘内障の手当て
問診などにより、肘内障の可能性が高い場合には「整復」という操作を行い、関節や外れてしまった靱帯を正しい位置に戻します。整復自体はほんの数秒で終わり、正しく整復されれば、子どもは嘘のようにケロッと泣き止み腕を動かすようになります。固定や湿布などもほとんどの場合は必要ありません。
場合により、痛みが残ったり、整復後も腕を動かさない場合があります。こういった際には再度各種検査を行い、必要に応じて固定や医療機関への紹介をします。
6、肘内障の予防方法
これまで解説してきた内容を踏まえ、どのように肘内障を防げばいいのか、を最後にご紹介します。
腕を引っ張ってしまったときに、肘内障になりやすい特徴が「子どもの手の平が下を向いて」手をつないでるケースです。手の平が下を向いている姿勢のことを「回内」と言いますが、これは発生しやすい姿勢なので、子どもと手をつなぐときは「子どもの手の平が上を向くように」していただくと良いです。
また、手ではなく手首辺りを持たれている方もいらっしゃると思いますが、これも子どもが腕を引っ張られたときに踏ん張りが効かず、関節が引っ張られる原因になりますので、しっかりと手をつなぐように意識して頂きたいと思います。
もしご兄弟がいらっしゃるご家庭では、子ども達で遊んでいるときに、子ども同士で手を引っ張りあわないように、注意してみてあげると良いです。おもちゃの取り合いをしていたり、じゃれあっている時に発症することも多いので、「ダメだよ、危ないよ」と教えてあげてください。
ちなみに「肘内障はクセになりやすい」という先生もいらっしゃいますが、再発率は2~3割と低く、一度なったからクセになるのではなく、再度同じ原因で繰り返し発症しているだけですので、一度お子さんがなった場合は、家族や周囲が注意して再度発症しないように心がけてください。
いかがでしたでしょうか。
肘内障は知っていれば防げますので、このブログによって未然に防ぐ一助になれたら幸いです。
万が一、佐倉市で子どもの腕を引っ張ってしまい肘内障かも?とご心配、ご不安な時は、石本接骨院が対応できますので、一度ご相談ください。
佐倉市で足関節を捻挫してしまいお困りの方は、京成臼井駅最寄りの石本接骨院へ。
足関節捻挫はスポーツのケガでは知っている方も多く、日常でも遭遇された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
全スポーツ障害の15%程度を占め、アメリカでは年間200万件発生したという報告もあるくらいです。
「たかが捻挫、されど捻挫」というように捻挫を軽視する親御さんや指導者もまだまだ多く、困っている患者さんをたくさん見てきました。 捻挫くらいと初期処置をしっかり行わないと、足関節の不安定性を残し、すべてのスポーツに長期間影響する後遺症を残します。
今回は足関節捻挫の基礎知識をはじめ、当院での処置やリハビリについてご紹介していきます。
1、足関節の構造
引用)足立慶友整形外科様より
捻挫とは靱帯を損傷した状態をいいます。 「足首を捻ってしまった」という患者さんの約8~9割が足首の外側の靱帯を損傷すると報告され、「前距腓靭帯」が最も多いとされています。 この靱帯は外くるぶしと距骨という足首の中の骨をつないでいる靱帯で、親指側の足裏が見えるように捻ってしまったときに損傷しやすい箇所です(内反捻挫)。
2、足関節捻挫の重症度
捻挫の重症度は教科書的にはⅠ~Ⅲ度といわれ、
Ⅰ度:靱帯を伸ばしてしまった状態
Ⅱ度:靱帯を部分的に断裂してしまった状態
Ⅲ度:靱帯が完全に断裂してしまった状態
このように分けられています。
しかし、この分類はレントゲンや触っただけでは判別が難しく、手術中の所見やMRIやエコーなど精密な検査を行わないと評価できません。
そこで当院ではエコー観察機器による所見に加えて、靱帯部分を押したとき(圧痛)に何か所痛みがあるか、という分類を用いて判断しています。
圧痛が1か所:Ⅰ度
圧痛が2か所:Ⅱ度
圧痛が3か所以上:Ⅲ度
基本的にⅠ度の損傷で痛みやその他の症状が比較的軽いのであればサポーターで十分対応可能です。
しかし、「捻挫は初めて」「痛みでうまく歩けない」「Ⅱ度以上の捻挫」の場合はサポーターの固定力では不十分で痛みが長期にわたる可能性がありますので、当院ではギプス固定の適応としています。
グラスファイバー製の軽量で頑丈なギプスですので、体重をかけて歩くことが可能です。 (骨折等の鑑別を十分にした上で)
足関節を一定の角度で固定することで損傷した靱帯に負荷をかけず、早期より積極的に体重をかけていくことで自然治癒力を最大限に高めることが出来ます。
捻挫の処置で「L字型の固定+松葉杖で3週間足着かないでね」という超安全な方針でも回復していきますが、体重を長期間かけないことで筋力低下や足底感覚の低下、バランス能力の低下、日常生活への支障などのデメリットがあります。
なぜなら痛みが引いたとしても、機能が低下していれば速やかに日常やスポーツ活動に復帰することが出来ません。痛みが取れた先のことを考えて初回の処置を施すことによって、その後の回復スピードを早めることが出来るのです。
もちろんギプス固定の適応かどうかを十分に判断、鑑別の上でご提案いたしますが、万が一ケガをしてしまって早く治したい、月末の大会に間に合わせたい、など差し迫ったケガの場合は当院での処置がお役にたてるかもしれません。すぐにご相談ください。
3、足関節捻挫のリハビリ
固定期間が終了し、無事にギプスを外すことが出来たら次はリハビリです。
ギプス固定を外した直後は再受傷を防ぐために簡易的なサポーターを着用してもらい、日常生活は普段どおり過ごしていただけます。
特にギプス固定という強固な固定をはずした直後は非常に「不安定感」を感じますので、最も再受傷するリスクが高い期間です。不要だと感じる方もいらっしゃいますが、安全面を考慮し、着用をお願いしております。
さらに捻挫によりバランス感覚や筋肉の機能低下などがみられます。リハビリをしないと「歩きにくい」「足首がカクっとなりやすい」「わずかな痛みがなかなか取れない」といった後遺症を残すことになりますのでチューブによる筋力強化や、バランスディスクによるバランス感覚向上など、スポーツ選手だけでなく一般の方にもリハビリを行います。
個人差はありますが、過去の経験から受傷から約1か月後にはほとんど痛みもなく治療も終了しているケースが多いです。
余談ですが、足関節捻挫をなんの治療もせずに放っておいたらどうなると思いますか?
足関節の構造はわかりやすいイメージでいうと「凸」と「凹」の関係にあり、それを周囲の靱帯によって補強しています。靱帯損傷によって補強が弱まることによって関節がぐらぐらしてしまい、お互いの骨同士が接触したり、均一に体重がかからなくなります。
それにより関節の表面を覆っている「軟骨」がすり減り、関節が変形してしまいます。こうなってしまった状態の足関節で痛みなどの症状を有していることを「変形性足関節症」といいます。
この状態になると痛みを改善させることが大変になり、最悪の場合、人工関節の手術が必要になります。
こうならないためにも「たかが捻挫」と侮らず、ちゃんとリハビリをした方が良いということですね。
足を捻ってしまい早く治したい、どこに行ったらいいかわからない、という場合はいち早く、佐倉市の石本接骨院にご相談ください。
あなたのお子さんがスポーツ後に「かかとが痛い」と訴えてきたことはありませんか?
どうせ筋肉痛でしょ?としばらく様子を見させて放っておいてませんか?
一概にかかとが痛いと言っても、たくさんの障害があります。
今回は「子どものかかとの痛み」について解説していきます。
1、かかとの痛みの種類
子どもがかかとが痛いといった場合に、代表的な疾患としてこれらが挙げられます。
アキレス腱炎、アキレス腱周囲炎、滑液包炎、踵骨骨端症(シーバー病)、足底腱膜炎、踵部脂肪体炎、有痛性外脛骨障害、有痛性三角骨障害……
大人がイメージするかかとと、子どもが訴えるかかとは違う印象があります。
問診票にはかかとに丸がついていても、実は全然違うところ、なんてこともザラにあります。
この中でも、特に多い「アキレス腱の痛み」と「踵骨骨端症(シーバー病)について掘り下げていきます。
2、アキレス腱の痛み
アキレス腱の特徴は、アキレス腱の周囲を「パラテノン」と呼ばれる膜に覆われていることです。これによりアキレス腱の滑らかな動きを可能にしています。
アキレス腱の痛みで誤診されやすいのは、その痛みが腱の炎症なのか、腱の周囲のパラテノンの炎症なのか、アキレス腱が骨にくっつく付着部の炎症なのか、触り分けるとしたら僅か数㎜の範囲ですが、ここをしっかりと鑑別せずに治療をはじめてしまうことです。
触診すれば容易だと思いますが、そもそも触ってもらえなかった、ちょちょっと触られただけ、のようにしっかりと鑑別してもらえなかった患者さんがなかなか治りにくい印象です。
佐倉市の石本接骨院では詳しく触診することはもちろん、エコー観察機器を用いることで、炎症がどの部分で起こっているのかを根拠をもって評価することが出来ます。
痛みの原因がはっきりとしていれば、ピンポイントにアプローチすればより最短で改善に導くことが可能になります。
3、踵骨骨端症(シーバー病)
子どもの骨の特徴は、大人と違い成長過程の関係から一個の骨になりきっていないことです。下の画像はレントゲンですが、矢印の部分は骨折している訳でなく、成長するための言わば「伸びしろ」の部分です。
引用)とよだクリニック様より
シーバー病はこの部分に運動や何らかの衝撃を繰り返し受けることで炎症を起こした状態です。
引用)済生会様より
かかとの骨にはアキレス腱が付着しており、ふくらはぎの筋肉の柔軟性不足や足首の柔軟性不足などにより引っ張られる力が加わりやすくなります。また偏平足や回内足といった足のトラブルを抱えている状態では走ったりジャンプ着地の衝撃をうまく分散できず、この隙間が空いている部分に衝撃を受け炎症を引き起こします。
病院ではこれらの理由から「痛みが引くまでは運動中止ね」という指示を出すことも少なくありません。
佐倉市の石本接骨院では痛みが出ている部分だけを施術するのではなく、周囲の筋肉の柔軟性改善、各関節の可動域改善、正しく衝撃吸収できるように全身の姿勢改善を行うなど根本的な改善を心がけております。
また評価の結果、偏平足や回内足などのトラブルを抱えている場合は、当院でしか購入できない矯正力のある「オーダーメイドインソール」もご用意しております。
詳しくはお問合せ下さい。
痛みがひどくなって運動できない状態になってから来院するのではなく、早め早めに当院にご相談くださいね。
野球選手にとって「野球肘」という言葉はあまりにも聞き慣れた言葉だと思います。
私自身、学生時代は野球をやっていて肘を痛めた経験があります。
実はもしあったら「1発アウト!」な野球肘があるのはご存じでしょうか。
でもこの1発アウト野球肘は当院で「早期発見」が可能なんです!
そこでこの記事では野球肘の種類や原因などを解説していき、当院ではどのように野球肘を早期発見していくのかご紹介します。
1、内側型野球肘
肘の内側が痛くなる状態で、野球肘の定番はこの内側です。肘の内側には「内側側副靱帯」という肘を支える重要な靱帯があります。投球動作により繰り返されるストレスや、フォーム不良による過度の負荷により炎症を引き起こします。
「トミージョン手術」という言葉を聞いたことはありませんか?最近ですと大谷翔平選手やダルビッシュ有選手、松坂大輔選手など有名なピッチャーが受けた手術です。この手術は痛めてしまったり断裂してしまったこの内側側副靱帯を再建(作り直す)する手術です。
また肘の内側は投球時に「引っ張られる」負荷がかかりやすく、靱帯に限らず筋肉の付着部や場合によっては付着している骨が剥離骨折(剥がれる)を引き起こすこともあり、痛みを放っておいたままは非常に危険です。
内側型野球肘の特徴的な不良フォームは「肘が肩のラインから下がっている」「開きが早い」「アーム投げ」「軸足バランスの悪さ」などが挙げられます。この記事では詳細は割愛しますが、また別の記事でご紹介致します。
2、外側型野球肘
これがいわゆる「1発アウト」野球肘です。もしお子さんが野球をしていて肘の外側を痛がっていたら即病院ないし「エコーがある接骨院」に受診してください。
投球時、肘の外側には圧力(骨と骨が押し合う)が加わります。骨と骨が衝突することで成長期の未熟な軟骨部分が炎症し、ひどい場合は骨が欠けてしまう状態になります。専門的には「離断性骨軟骨炎」と言います。画像左側の骨の不整部分です。
引用)ベースボール&スポーツクリニック様より
この状態になってしまうと長期間の投球禁止期間が必要で、発見時に進行している場合は手術が必要になり野球選手生命に関わります。つまりなってしまってからでは遅く、早期発見や未然に防ぐことが必要になります。そこで早期発見に最も適しているのが「エコー検査」になります。
引用)松田鍼灸整骨院様より
上記画像の左側が症状の出ていない正常な状態です。それに比べると同じ部分がガタガタとしているのが分かると思います。このようにエコー検査はリアルタイムで一瞬で肘の状態を観察することが出来ます。もし当院でエコー観察を行い、このような状態を発見した場合は速やかにMRI検査の出来る医療機関にご紹介致します。
外側型野球肘の特徴的な不良フォームに「肘の突き出し」と言われる状態があります。
これは肩周囲の筋力不足や、上体がキャッチャー方向に流れてしまういわゆる「突っ込んで」投げる選手に非常に多く見られます。約2~3か月の投球禁止期間に肩や体幹筋力の向上、軸足バランスの改善、などでフォーム修正を行い、肘の状態が完治してから段階的に投球を再開していきます。
繰り返しになりますが、この外側型野球肘は非常に危険な状態ですので、お子さんが肘の外側を痛がっている場合は出来るだけ早く石本接骨院にご相談ください。
3、後方型野球肘
肘の後ろ側に痛みがある状態です。数はそれほど多くない印象ですが、これも侮ってはいけません。肘の後方に負荷が集中するフォームの特徴に「手投げ」と言われる状態があります。
基本的に投球動作は全身の連動で行うのが一般的ですが、例えばキャッチャーのように座ったまま返球するような癖がついた選手は投球時に下半身や体幹の力を活かせず、腕の力(肘の曲げ伸ばし)で投げることがあります。
それにより肘を伸ばす筋肉に負荷がかかり炎症を起こします。稀ですが痛みをあまりにも放っておくと筋肉が骨に付着する部分の剥離骨折(骨が剥がれる)を引き起こす場合もあります。
フォーム修正は下半身や体幹をしっかりと使って投げれるように動作指導、修正を行います。
【当院での取り組み】
佐倉市の石本接骨院は最新のエコー観察機器を完備しております。症状の有無に関わらず、エコーによって疾患を見つけることも出来ます。またこういったスポーツ障害は積極的な予防活動
が必要になります。
地域の野球チームに出向いて「野球肘チェック」や「フィジカルチェック」を無料にて行っております。日程調整を行い、チームに出向くことも出来ますし、院に来ていただき選手全員行うことも出来ます。もし興味があれば当院までご連絡ください。
病院で「成長痛だから放っておいたらよくなるよ」「成長痛だから仕方ないね」と言われ、なかなか改善せず運動や部活をいつまで休んだらいいのか、という経験をされたことはありませんか?
今回のテーマは「オスグッド・シュラッター病」についてです。
これは膝小僧の少し下あたりの骨が出っ張った部分が、成長期のさまざまな要因で炎症を引き起こし、痛みで膝が曲げられなくなったり、日常生活や運動に支障をきたした状態です。
なぜ「成長痛」と言われることが多いのでしょうか。
膝前の下辺りの骨の出っ張りを「脛骨粗面」といい、この部分の成長過程が関係しています。オスグッド病になりやすい10~11歳頃は身長を伸ばす為に骨が縦に伸びようと盛んに細胞分裂を引き起こしている時期で、わかりやすく言うと「脆い」状態です。そこに筋肉による引っ張る力が繰り返し加わることで、めくれ上がるような負荷がかかり、発症してしまいます。
身長スパート年齢と言ったりもします。身長が伸びやすい反面、骨の頑丈さが落ちてしまうんですね。
このように負担を受けやすい時期に、さらに周囲の環境も影響します。
小学校低学年までは走る、跳ぶ、投げるといった競争よりも「楽しさ」を中心に運動するのに対し、10歳以降の小学校高学年となるとクラブチームでも競技に特化し、チームメイトと競争が始まることで無理をし始めます。さらに練習量も増加する反面、自分でケアをする習慣がなければ体への負担はどんどん増していきます。
お子さんが膝の前を痛がっている場合、親御さんが「成長痛だから大したことないよ」と判断するのではなく、こういった痛みが出やすい年齢だというのを理解して、早めに病院や接骨院などでみてもらってください。
オスグッド病の症状自体は比較的容易で鑑別しやすいですが、圧痛(押して痛む位置)が1mmズレるだけで違った疾患になります。当院ではエコー観察機器を用いてオスグッド病なのか、それ以外の症状なのか、などより根拠をもって鑑別しご説明致します。
さらに、現在痛みはないが、「オスグッド病予備軍」かどうかをエコーを用いて観察することも出来ます。
痛みを早く引かせるハイボルテージやLIPUS(ライプス)、オスグッド病の根本原因でもある姿勢や柔軟性、筋力など総合的なアプローチをもって最短で改善できる施術をご提供致します。
我が子は大丈夫なのかとご心配の方、痛みがなかなか引かないが今のままで良いのか?など不安な方は、一度当院へご相談ください。
石本接骨院のブログをご覧いただきありがとうございます。
今回はじめての投稿となります。今後もご覧の皆様にとって有益な情報を発信していきますので、よろしくお願いします。
さて今回のテーマは「腰痛」についてです。
ひとえに腰が痛いと言っても、痛みの原因をしっかりと鑑別出来ていなければ最短距離で改善しません。
腰痛は大きく分けると4つのタイプがあります。
1、「筋・筋膜性」と言われる筋肉や筋肉表面の筋膜が原因の腰痛
2、「椎間関節性」と言われる背骨の関節が原因の腰痛
3、「椎間板性」と言われる背骨の間にあるクッション材が原因の腰痛
4、「仙腸関節・骨盤」という骨盤の関節が原因の腰痛
それぞれの特徴的な症状をご紹介します。
1、「筋・筋膜性」
腰や背中の筋肉に何らかの負荷がかかり炎症している状態で、可能性の高い症状は「前屈痛」いわゆる前かがみをした時の痛みです。また筋肉は動かなければ刺激が加わらないので、じっとしているときには痛みが出にくいことが多いです。
2、「椎間関節性」
背骨の後部にある関節部分に何らかの負担が加わり炎症した状態です。背骨の構造上、体を後ろに反る伸展という動作を行うと負荷がかかりやすいため、「後屈痛」が特徴です。たくさんある背骨のうち、部分的に負荷が加わる状態は「体の柔軟性不足」があげられます。首や胸、股関節の柔軟性が不足すると背骨の関節に負荷がかかりやすくなります。関節も動かさなければ負担はありませんから、じっとしているときには痛みが少ないことが多いです。
3、「椎間板性」
背骨と背骨の間にあるクッション材のような部分を椎間板と言います。この部分は猫背のような姿勢不良によって負荷を受けやすいため、デスクワーカーに多い印象です。また腹筋などの筋力が不足していると上半身の重みを支えることが出来ず、クッション材となる椎間板への負担が大きくなります。この腰痛の特徴は「安静時痛」というじっとしているときの痛みです。動くことによって負荷が分散するので痛みが出にくいことが特徴です。
4、「仙腸関節・骨盤」
背骨の下にある骨盤部分の炎症による腰痛です。先ほどまでの腰痛と違い痛みがピンポイントであることが多いです。また骨盤部分は動いていても座っていても一定の刺激を受けてしまうので、常に痛みがあり日常生活への支障が大きい印象です。症状の辛さの割に、病院では一般的な腰痛と一緒にされやすくなかなか改善しにくい腰痛という印象があります。
ぎっくり腰や普段感じる腰痛と言ってもこのような症状の違いがあり、さらにひとつではなくこれらが複数絡み合って症状を出しているケースもあります。
さらにごく稀に内蔵の疾患やガンの骨への転移などが腰痛を引き起こしている場合もあります。
こういった「レッドフラッグ」という一発アウトで速やかに医師の診察を受けた方がいい症状も慎重に判断し、適切な医療機関へご紹介致します。
当院ではこれらの症状をしっかりと問診や触診、徒手検査で鑑別を行い、あなたの腰痛にとって最も適した施術を行います。他院で治療しているがなかなか改善しない、これぐらいならと腰痛を放っておいている方は、一度当院へご相談ください。