その痛み、ちゃんと「評価」されましたか?
当院で処置を行った手や腕のケガや痛みの症例、処置の報告です。
骨折、打撲、捻挫などさまざまなケガに対して各種検査やエコー評価を用いて、しっかりと鑑別評価を行ってから施術を致します。
しっかりと評価せずに施術者の経験や勘に頼り「とりあえず」で始める施術は、目的地も分からずに走り出すのと一緒です。無駄も多くなるし遠回りする可能性が非常に高くなります。最終的に自然治癒力が働きますから、放っておいてもいずれ良くなります。しかし、スポーツしている方は痛みを伴いながらのプレーになったり、満足の行くパフォーマンスが出せずに後悔することも多くなるでしょう。
しっかりと評価することで治癒までの最短ルートを導き出し、最短で改善に導くことが出来るのです。我々の業界で「問診8割、治療2割」という言葉があります。戦うべき相手が分かるからこそ、効果的な治療法を導き出せます。
ろくに検査をせず、治療を始めるような院で治療を受けて不満を持たれる方も多くいらっしゃいます。治療院選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
症例は随時アップしていきます。
症例①橈骨遠位端骨折
60代、男性
階段で足を滑らせ転倒した際に手をつき負傷する
・圧痛:橈骨遠位背側(+)橈側(+)掌側(+)
・全ての手関節動作痛(+)
・握力患側0キロ※外傷による握力0キロや健側に比べて10キロ以上差がある場合は骨折を疑います
・エコーにて遠位骨片の背橈側転位確認(左整復前、右整復後)
上記骨折を疑い、整復操作し固定。連携先の整形外科に対診し骨折診断。LIPUS治療等のリハビリを行った。
症例②母指MP関節尺側側副靭帯損傷
50代、女性
自宅庭で水やり中に足を滑らせ転倒、ジョウロを持ったまま地面に手をつき負傷する。(時間外急患対応)
・圧痛:MP関節尺側(+)
・母指橈側外転(+)
・握力:健側31.2キロ、患側14.2キロ
・母指橈側外転方向に不安定性(+)
・エコーにて側副靭帯に断裂様所見(左が患側、右が健側)
不安定性を伴う靭帯損傷なので恐らく断裂していると判断。手術となる可能性が高い症例と説明するものの現病歴に伴いできれば手術しないで治したい、さらにお盆期間中で整形外科への対診がすぐにできない、ことからサムスパイカ固定を作成して施術開始する。
※本症例はやはり経過不良となり手術適応となりました。
症例③TFCC損傷
10代、男性
バスケ試合中に転倒した際に手をつき負傷する。
・圧痛:TFCC(+)
・Ulner Carpal Stress test陽性
・エコーにてTFCC部に炎症反応
・握力:健側32.3キロ、患側15.4キロ
疼痛強く、日常生活にも支障をきたしているため固定が必要と判断。手関節のギプス固定および患部にLIPUS治療を行う。