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子どもが腕を動かさない!/肘内障について

2023.07.04 | Category: 症状別

愛する我が子が突然腕を動かさなくなって、ギャン泣きしている。あなたは訳も分からず突然泣き出した子どもを見て、冷静を保っていられますか?

子どもの「腕を引っ張ってはいけない」と聞いたことはありませんか?

 

今回解説したいのは、そんなパニックになりそうな状況でも、「知っていれば」どう対応すればいいかわかる。『肘内障』についてです。

 

1、肘内障とは

肘内障とは、おおむね5歳以下で特に2歳頃になりやすく、主に腕を引っ張ることによって発症する子ども特有の障害です。

腕を引っ張られることで、骨を押さえている靱帯がスルッと抜けてしまい、関節に挟まれてしまった状態です。よく関節の亜脱臼と言われたりもします。

痛みによって腕を動かさず、腕を触らせないような恐怖心や警戒心を伴うことが多いです。

こうなってしまった原因が「腕を引っ張ってしまった」のように明確な場合は、鑑別は容易にできます。しかし、子どもがそのようになってしまった原因がよくわからない場合や、転倒した後に腕を動かさなくなった場合は骨折の可能性もあり、注意が必要です。後ほど解説します。

 

2、肘内障にはどんな特徴があるのか

肘内障の統計からどういった特徴があるのかご紹介していきます。2013年にとあるクリニックで行われた統計です。

※参考文献)「肘内障170例の検証 吉岡祐樹 2013」

 

・2歳に発症のピークとなる

肘内障は骨や靱帯の成長に伴い、徐々に発生頻度は少なくなります。なぜ2歳に多いのか、これは私自身の経験も踏まえてですが、2歳の頃は好奇心旺盛で何にでも興味がわきます。また自分の足でしっかりと歩けるようになる頃ですので、行動範囲も広くなります。特に外出時に駐車場やショッピングモール内で突然に走り出し、手をつないでいた親御さんが腕を引っ張って「危ない!」「ダメ!」と怒っている光景は珍しくないと思います。2歳に多いのはこういった理由があるのではないかと考えています。

 

・約6割が「土曜日18時~深夜救急」を受診している

週末はショッピングやレジャーなど家族で外出することも多く、子どもがあちこちに行くのを腕を引っ張って発症…というケースが容易に想像できます。家族が肘内障という言葉を知らなければ泣いていても「時間が経てば落ち着くだろう」と様子を見ることも多く、発症から少しおいて医療機関を受診する、といったいきさつからこのような統計になっているのではと考えます。

これは経験則ですが、接骨院に来院される際、平日に来院される場合は保育園で発症し時間内に来院、週末に来院される場合は外出先などで発症し時間外に急患依頼として来院、というような肌感覚があります。

 

・実は「腕を引っ張った」という症例は54%

先ほど肘内障の典型的な原因は「腕を引っ張った」ことなどにより牽引力が加わったことによると説明しましたが、この数字からわかるように、もう半数は「原因がはっきりしていない」ということです。誰も現場を見ていない、子ども同士で遊んでいて状況を説明できない、などがあり私たちが一番警戒するのは実は「転倒、転落」していたケースです。肘内障と似たような症状の中に骨折が潜んでいる場合があるからです。

 

3、「肘内障」という言葉はどれくらい知られているか

医療に従事していない一般の方は、「肘内障」という言葉をどれくらいの方が知っているのでしょうか。

地方のとある保育園で調査が行われました。

参考文献)「肘内障に関する認識調査:地域保育園を対象として 真鍋ら」

 

その調査ではなんと、「87%の保護者は肘内障を知らない」という結果が出ました。肘内障は特徴的な発症原因、発生年齢などから知っていれば予防できると考えていましたので、そういった観点からもこの結果には驚きました。

反対に、残りの13%の「知っている」と回答した保護者は、子どもが肘内障になったことがある、という結果でした。なるほど。

これは地域の保育園などに「肘内障」という言葉を説明、啓蒙しなければいけないなと感じます。

 

4、「肘内障かも」どこに行けばいい?

もし我が子が腕を動かさず泣いており、もしかしたら肘内障かも?と考えた時、どこに行けばいいのでしょうか。

肘内障は関節の障害なので、整形外科や小児科、接骨院/整骨院で対応できます。救急で病院を受診しても、整形外科医や小児科医が対応しなければ処置は受けられないでしょう。

事前に連絡し対応できるかどうか確認してから行かれると良いと思います。

 

当院では、原因や症状の問診や検査に加え、エコー観察機器を用いて肘内障に特有な兆候がないか観察することが出来ます。

こういった特徴的な兆候に加え、骨折が見られないか、そのほかに所見は無いか、など十分に鑑別を行ってから処置を行いますのでご安心ください。エコーが無くても対応できる院はあると思いますが、より安心安全をお求めでしたらエコーを活用してみて頂けるところがベストだと思います。

 

5、肘内障の手当て

問診などにより、肘内障の可能性が高い場合には「整復」という操作を行い、関節や外れてしまった靱帯を正しい位置に戻します。整復自体はほんの数秒で終わり、正しく整復されれば、子どもは嘘のようにケロッと泣き止み腕を動かすようになります。固定や湿布などもほとんどの場合は必要ありません。

場合により、痛みが残ったり、整復後も腕を動かさない場合があります。こういった際には再度各種検査を行い、必要に応じて固定や医療機関への紹介をします。

 

6、肘内障の予防方法

これまで解説してきた内容を踏まえ、どのように肘内障を防げばいいのか、を最後にご紹介します。

腕を引っ張ってしまったときに、肘内障になりやすい特徴が「子どもの手の平が下を向いて」手をつないでるケースです。手の平が下を向いている姿勢のことを「回内」と言いますが、これは発生しやすい姿勢なので、子どもと手をつなぐときは「子どもの手の平が上を向くように」していただくと良いです。

また、手ではなく手首辺りを持たれている方もいらっしゃると思いますが、これも子どもが腕を引っ張られたときに踏ん張りが効かず、関節が引っ張られる原因になりますので、しっかりと手をつなぐように意識して頂きたいと思います。

もしご兄弟がいらっしゃるご家庭では、子ども達で遊んでいるときに、子ども同士で手を引っ張りあわないように、注意してみてあげると良いです。おもちゃの取り合いをしていたり、じゃれあっている時に発症することも多いので、「ダメだよ、危ないよ」と教えてあげてください。

 

ちなみに「肘内障はクセになりやすい」という先生もいらっしゃいますが、再発率は2~3割と低く、一度なったからクセになるのではなく、再度同じ原因で繰り返し発症しているだけですので、一度お子さんがなった場合は、家族や周囲が注意して再度発症しないように心がけてください。

 

いかがでしたでしょうか。

肘内障は知っていれば防げますので、このブログによって未然に防ぐ一助になれたら幸いです。

万が一、佐倉市で子どもの腕を引っ張ってしまい肘内障かも?とご心配、ご不安な時は、石本接骨院が対応できますので、一度ご相談ください。